ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ監督『その手に触れるまで』2019年

胸がつまるほど切実。主演のイディル・ベン・アッディが凄い。心を閉ざしてしまった少年の遠さ。
宗教がいけないわけじゃなく、他者との共存を認めない、そして自分たちと違う他者を(物理的にまで)排除しようとする原理主義が問題なんだと分かる。農場で他者の生そのものと触れ、原理主義的な抑圧が自分の自然な感情すらも排除しようとしているのに気づいていくとき、変わる希望が見える。
原題をそのまま訳せば『少年アメッド』だけど、『その手に触れるまで』。物語の核になるモチーフなので、これは名邦題。役者の創造力が活きてる。
もっと言葉を尽くして上手く記したいんだけど、ひとまず。また観たい。

p.s.武蔵野館はちゃんと喫煙所があるから本当に好きです。